共産党の母から「共謀罪に反対!! あんたも反対よね、この紙に署名して送り返して」という意味の手紙が届いた。

共謀罪にはわたしも漠然と反対だけど、それほど詳しく知っているわけではない。
署名用紙には5人分の署名欄がある。わたしの署名だけではなく、家族全員の名前を書かないとまずい。
どうしようかなー 無理に名前書かすことはできないし。ってことで、娘に協力してもらうことにした。

娘にはとにかく母からの手紙を見せた。
手紙のイントロはこう↓↓

《ニーメラー牧師の警句》
「ナチスは最初、ユダヤ人を攻撃した。私はユダヤ人ではなかったから黙っていた。
そして彼らは共産党を攻撃した。私は共産主義者ではなかったから黙っていた。更にナチスは、社会民主党や自由主義者を攻撃し始めた。こ時は少し怖いと思ったが、自分は聖職者だから大丈夫だろうと思っていた。最後にナチスは、キリスト教の教会を攻撃した。私は牧師だったので、この時はさすがに声をあげたが、もうその時、一緒に声をあげてくれる者は残っていなかった」
戦争と平和を語る時、よく耳にする言葉です。
誰しもが戦争はイヤと強く否定するが、プロセスでおきるさまざまな事象にはわりと無関心、又はよく分からないという人が多い。知らないことはツミとなる時もある。
いま、とてもその危険な状況がつくられています。
(後略)

わたしもどこかで読んだことのある「ニーメラー牧師の警句」がいきなりの冒頭だった。

娘はまじめなタチなので、真剣に読んでこう言った。
「ナチスって、教会も攻撃したの?」

「うーーん。どうなのかなあ…」

よく分からない。なぜ教会を攻撃したのか? そこが分からないと、この警句自体に説得力がうまれない。なんとも頼りない母(自分)であるが、分からないので答えようがなかった。

しかも母からの手紙には、共謀罪についての詳細がいっさい書いてない。

これで署名させようたって、難しいではないか。乱暴だなあ。共産党の言うことならなんでも鵜呑みにする母の悪いクセがもろに出ている。

――

それであらためて共謀罪について調べた。娘はじめ、家族みんなに署名してもらうためだ。
そうしたら、その途中でニーメラー牧師の警句について、おどろくべき事実が浮上したのである。

マルチン・ニーメラーが本当に言ったことと、リベラルな人の嘘 – 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt)

「愛・蔵太」さん……なつかしーー(念為脚注:古くからのネット住人さんです)今は何してるんだろう?
それはともかく、「愛・蔵太」さんの12年も前の記事の中に詳しく書いてあった。
それによると、ナチスは教会は弾圧していない(と、愛・・蔵太氏)
それと、この警句はいろんなバージョンが出回ってオリジナルが損なわれていることなども教えていた。

その上で愛・蔵太氏は、牧師に詳しいサイトを発見しページ(英語)を紹介しつつ、日本語訳を付けていた。

はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらは社会主義者と労働組合員に襲いかかったが、私はそのどちらでもなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらはユダヤ人に襲いかかったが、私はユダヤ人ではなかったから声をあげなかった。
そして、やつらが私に襲いかかったとき、私のために声をあげてくれる人はもう誰もいなかった。

その他のリンク
彼らが最初共産主義者を攻撃したとき – Wikipedia

↑には、ニーメラー財団による詩が載せてある。ニーメラー財団は、1976年のニーメラーに対するインタビューを元として詩を再編成した。ニーメラー自身はこのインタビューでユダヤ人迫害についても言及しているが、財団が作成した詩にはユダヤ人が言及されていない。財団はニーメラーが1933年9月に反ナチ運動を開始し、1937年に強制収容所に収監されていることから、ユダヤ人が収容され始めた時期や、カトリック教会への攻撃が本格化した時期を体感できなかったと見ている、とのこと。

で、財団の編成した警句の訳は↓↓

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

そう、一番肝心にして一番誰もが知っているユダヤが入っていない。
ニーメラーの反ナチ活動とその強制収容所の時期と、ユダヤ人の本格弾圧の時期の兼ね合いから、これが正しいと財団が判断したのだろう。つまり、もっと大変で、もっと大きな弾圧は、「私」が襲いかかられたあとに、起きている。


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