悪夢探偵の海外ver

2007年の映画〝悪夢探偵〟をDVDでみた。

悪夢探偵

 

先日みた『野火』の監督・主演である塚本晋也の、2007年の作品。

(ぜひ、観てから開けることを推奨します。読むと先入観をもってしまい、もったいないですので)

他人の夢の中に入ることができる、という特殊能力の持ち主(影沼京一/松田龍平)が、その能力ゆえにやりたくもない仕事を頼まれて、人の夢の中、心の中に潜ってみるが、そこは醜悪にして救いがない場所で、「いやだいやだ、ああいやだ」と腹の底から嫌悪の情を吐き出す。

いっぽう、本来キャリア組のエリートコースを邁進しているはずの霧島恵子(hitomi)は、理由の詳細は不明ながら”現場”を経験したい思いから、苦手な血まみれ現場にも動揺を隠しつつ率先して飛び込んでいく。

起きているのは、連続自殺事件。血みどろの。

事件の捜査は、表から、そして裏からの、両面からすすめることとなる。

表とは、通常の常識の、つまりはわたしたちの現実と同じ手順の捜査で、裏からというのが夢からのアプローチというわけだ。

とても愛すべき作品なのでどこから語っていいのか迷うが、わたしが一番に言いたいのは、hitomiのマスカラだろうか。それと、hitomiの足とhitomiのハイヒールとhitomiの棒っぽい演技だろうか。hitomiのギクシャクした演技が、この映画にマッチしていて、いっそう良い映画にしていた。キャリア組のエリート警察官という、ドラマでよくある人物設定をさらに虚構くさくする美脚の大胆な披露も一役かっていた。hitomiが足を自慢にしているのは、ちょっと女性誌を読んだ人なら知っていると思う。hitomiは雑誌のカラーページのように出演しつつ、へたなのに懸命に演じていた。彼女の顔上部も多くアップされていて、そのたび気になったのがマスカラだ(つけま ではないと思う)。

マスカラをばっちり塗っているときと、マスカラを塗っていないとき(滅多になかったが)を、どう演じ分けているのか? それが、夢と現実をへだてるキーのように思えて、どこが境界なのか見極めようと見てて、結局判らなかった。マスカラの塗り分けに意味がない、なんてことは絶対にない。hitomiにとって(そして多くの女にとって)、マスカラは非現実への跳躍を意味しているのだから。

銃社会ではない日本の場合、おっつけ凶器は刃物ということになる。そのため飛び散る血の量がハンパなく正視を保つのが困難なのであるが、ほんとうに怖いのは人の心、ということか、イケメンで優しい顔の若宮刑事(安藤政信)が半夢状態で質問されての答えが意表をついて乱暴で、思わず笑った。ことに今の時代は、誰もかれもが無害な顔を装っているため、内心が見えてこないことが多く、優しい顔をして何を考えているのやら、という不安は、2007年以降より加速しているのではないだろうか。

と、以上が影沼と霧島と若宮の紡ぎだすファブリックの切れ端だ。ついでにいうとエンディングテーマの「蒼い鳥」(フジファブリック)がとてもいい曲なのでわたしは250円でDL、寝るときにイヤホンで聴いている。ジャスト7分の曲で、聞き終わった頃には(悪)夢の中、というわけだ。

悪夢探偵
現場勤めになったばかりの女刑事・慶子は謎めいた事件を担当する。夢を見ながら死んだようだという証言と、死者たちが死ぬ間際に「0(ゼロ)」という謎の人物と話したことを示す携帯電話の発信記録から、事件を解く鍵は夢にあると推測。他人の夢の中に入れる能力を持つ悪夢探偵の存在を知った慶子は、彼に協力を求める。

監督 塚本晋也
脚本 塚本晋也 / 黒木久勝
出演者 松田龍平 / hitomi / 安藤政信 / 猪俣ユキ / 村木仁 / ふせえり / 大杉漣 / 塚本晋也 / 原田芳雄
音楽 石川忠
撮影 塚本晋也 / 志田貴之
編集 塚本晋也
配給 ムービーアイ
公開 2007年1月13日

海外サイトでみつけたakumu-tantei(Nightmare-Detective)

海外サイトでみつけた悪夢探偵の絵

↑このホラー絵、超じょうず。松田龍平の「いやだいやだ」顔をそっくりに再現。
塚本監督自身が演じた「犯人」の、ペロッと包丁を舐める、あのぞくっとするシーンがそっくりに再現。
一番安心感を与えていた安藤政信が、あああ、死んじまったぜ~ という無念のシーンがそっくり(かな?)に再現。
hitomi、眠ったら殺されるよ~ つうシーンが、そっくりに再現だ。

Three people in Tokyo take a surreal voyage of self-discovery through memory and nightmares. “O” intends suicide while talking on a cell-phone with a stranger he meets on line who plans a simultaneous suicide. Events take a horrifying turn. Keiko Kirishima is a cool, seemingly emotionless police detective, brilliant but off-putting. She’s faced with two mutilated corpses who appear to have killed themselves, but she’s not sure. A cell-phone number links the deaths. She calls on Akumu Tantei, a poor and suicidal young man who has the ability to enter people’s dreams. He’s reluctant to help. His past haunts him. A subconscious duel of terror and blood awaits the three.
– Written by jhailey hotmail.com

In Tokyo, Detective Sekiya investigates the death of two suicides with Detective Wakamiya and the rookie Detective Keiko Kirishima. Both victims were stabbed while sleeping and the skeptical and experienced Sekiya concludes that they have committed suicide. However, Wakamiya discovers that both victims had dialed “0” on their cell-phones before their death and they recorded a weird message. The police officers believe that someone is inducing potential suicidal persons to kill themselves, but the chief of police decides to split the team and assigns Keiko to find a medium to help the police in the investigation. She meets Kyoichi Kagenuma, who is also a suicidal man with the ability to enter in the dreams, and tries to force the reluctant man to help her.
– Written by Claudio Carvalho, Rio de Janeiro, Brazil

via:Akumu tantei (2006) – Plot Summary – IMDb

もういっこだけ言いたい。

ラストシーンの霧島の”ですます調”の、言葉。それに対して影沼の見せた、「いやだいやだ」と限りなく同じ、表情・・・・・!!!!

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