愛のむきだし、やっとみれた

ainomukidasi

「自転車吐息」「紀子の食卓」の鬼才・園子温が237分の長尺で描く奇想天外なラブストーリー。主演は映画初出演で主演を飾るAAA(トリプル・エー)のボーカル西島隆弘、ヒロインを元Folderの満島ひかりが演じる。共演に安藤サクラ、渡部篤郎ほか。敬虔なクリスチャン一家で育ったユウは、神父の父に毎日懺悔を強要される日々を送っている。“罪作り”のため女性の股間ばかり狙う盗撮を繰り返すユウは、ある日、ヨーコという少女に出会い一目で恋に落ちるが……。

via:愛のむきだし : 作品情報 – 映画.com

「特集 満島ひかりがみたい!」で見た4作目。
劇場公開2009年1月 上映時間237分

出たー!! 愛のむきだしーーっって気分だった。この数年間、見たい見たいと思いつつ見れないでいた映画。R-15なので、同監督の『冷たい熱帯魚』ほどじゃないけど血しぶきが飛び肉片が跳ね刀が刺さりナニがちょん切られとハードな場面多し。

実際、『冷たい熱帯魚』を思い出させるシーンもあった。キリスト教が大きなモチーフになっており、純白のマリア像が今にも割れそうな危なかっしさでたびたび登場する。純白のマリア像は『冷たい熱帯魚』にも出てきた。この映画でも「あーあ、お母さんがマリアがどうのと余計な言いつけ(=予言)(=命令)をするから不幸の元凶ができちゃって」と、とてもじゃないが好意的には思えなかったブツ。

つまりはキリスト教自体にも好意的な感情がわいてこないわけであるけど、それでもヨーコが新約聖書の「コリント書第一の手紙」第13章を叫ぶシーンは忘れられない。検索したら(しないと新約聖書もコリントもよーわからんため)多くの人がそう言ってた。『愛のむきだし』のコリント書の場面は映画史に残るほどと。わたしもそう思う。
あのシーンが、ヨーコの耐えた苦しみの重さと時間を発見させる。そして昔の人って、なんて偉大で普遍的な事を言うのだろうと、驚かせる。事実、今だって、最後に残ったものは「信仰」「希望」「愛」のみっつだけじゃないか?

(信仰は宗教だけとは限らない。ある人にとっては科学であり、ある人にとってはアイドルへの熱愛であり、ある人にとっては金融であり)

そんな中、キリスト教系邪教・ゼロ教のボス・コイケ(安藤サクラ)がユウに目を付けて、ユウの家族とユウの大事なヨーコを巻き込んでいく。その手管、思わず本気で憎悪の念がわきそうになるくらいコイケすごかった。もっともユウだって、いわばヨーコ教に陥って追いかけ回すのだから、当のヨーコにしたら大迷惑のキ○ガイ。だから、誰の信仰が正しいのか、誰が信用できる人間なのか、誰の目線、誰の立ち位置がまっとうなのか、どんどん分からなくなっていく。ただただ、映像の流れに身を任せ、自分の内なる反応に素直になりつつ体感していくしかない、ヨーコとユウのふたりの関係なのだった。

MAKE THE LAST WISHをみた

makethewish

あらすじ
実際に行われた「アヴリル・ラヴィーンの妹オーディション」の模様に密着したドキュメンタリーパートと、満島ひかり演じる少女・みなみがそのオーディションに参加するドラマパートが同時に進行するDoramamentary(ドラマメンタリー)作品。「愛のむきだし」撮影直後に再び園監督×満島ひかりのタッグで撮影されたが諸事情により公に出る事は無く、2011年に都内で一夜限りの上映として公開されファンの間では幻の作品と言われていた貴重な作品。

※本作品に関しましては、通常画質のアップコンバートによる映像でお届けします。

ここに注目!
園子温×満島ひかりの「愛のむきだし」コンビによる幻の作品が登場!ウェブの動画サイト配信用に企画されるも、様々な事情で“お蔵入り”。都内の劇場で一夜限り”解禁”されてから、その後ずっと門外不出だった貴重映像をお見逃しなく!!

via:MAKE THE LAST WISH|日本映画・邦画を見るなら日本映画専門チャンネル

「特集 満島ひかりがみたい!」で観た第3作目。公開2008年 上映時間113分

上の説明ではぜんぜん内容が見えないから解説すると、満島ひかりは一人二役を演じている。冴えないいじめられっ子の女子高校生の姉と、アメリカに留学中の妹(のち、オーディションにあらわれる)。姉は自分の事が嫌いで変わりたくて、願い事を五つ叶えてくれる人形を手に入れる。しかし人形は願い事を叶えてはくれるといっても額面通りにしか受け取らず次々に悲劇が。さらに願い事にはツケがあって…

ということで、実際にあった「アヴリル・ラヴィーンの妹オーディション」のドキュメンタリー映像の中に、フィクションがするりと入り込む形になっていて、ちょっと他では見ないタイプの映像。審査員同士の会話では、オーディションって応募者のこういうところを見てるんだと面白いと同時に、満島ひかりのこともホントの応募者として会話しているから、可笑しいっていうか、遊び心っていうか。

満島ひかり演じる「みなみ」は、姉のハナと人形に関して心に決していることがあり、それはなかなか明かされない。けれど審査員(にして作曲家?)の中年の男性や、ADの男の子にちょこちょこと語っていくところが、スリリング。やはり、物語をもっている女は魅力がある、と思わせる。

なぜか人形がおもろい関西弁なので差し迫ったホラー感はないけど、途中はけっこう怖かった。特に、みなみが「秘密」を語り出したくだりは、ドキドキ… 

見所はなんといっても、満島ひかりの歌とダンス、でしょう。オーディションの最後の方で見せたパフォーマンスはひきこまれた。

+。…☆。+。…☆。+。…☆。+。…☆。+。…☆。+

にしても、わたしの願い事は何かなぁ? でもあんなふざけた人形には願いたくない。すぐに捨てると思う。
といいつつ、捨てる前についつい「ルンバほしい」とか「肌年齢マイナス15歳にして」とか、つぎつぎに願っちゃいそうだ…あとが怖いのに!!

映画カケラを見た

奥田瑛二の長女・安藤モモ子の初監督作で、原作は桜沢エリカによる少女コミック「ラブ・ヴァイブス」。主演は「愛のむきだし」の満島ひかり、中村映里子。平凡な女子大生のハルは、セックスにしか興味のない彼氏との心の通じ合わない関係に疑問を抱いていた。そんなある日、ハルは喫茶店で、人の身体のパーツを作るメディカルアーティストのリコに出会う。ともに時間を過ごすうち、リコは大胆にもハルに好意を寄せるが、ハルはそんなリコに戸惑いを隠せずにいた。

via:カケラ : 作品情報 – 映画.com

「特集 満島ひかりがみたい!」で観た第2作目。

ダランと弛緩しながらお茶の間で見始めたこの映画、途中で何回も家の模様替えしたくなって困った!! メディカルアーティストにしてクリーニング屋の娘にして、いきなし見知らぬ女子にアプローチしてしまう「りこ」の部屋のステキなこと!! 方や、惚れられてしまうハルのぼろいアパートのインテリアも金をかけずにここまで楽しくまとまるんだというお手本になっていて。

見てるのそこかよ? と言われそうだけど、すぐに真似したくなるくらいに自分にとっては魅力的なポイントだ。
もうひとりかたせ梨乃演じる山城さんのお部屋もステキなんだけど、あちらは金がかかっているし、植物だらけでやや偏執的。わたしも植物だらけにしたい気持ちはあるけど世話が大変だから、やれない。

ハル(満島ひかり)にセッ○スを求めるばかりでそれがすむとあとはどうでもよくなるのを隠そうともしない了太の団地の一室も、意外とステキ。

そんなで登場人物の後ろばっかり見ていた笑

タイトルの「カケラ」は、失った身体パーツ–指やおっぱい–という意味合いもあるだろうし、それぞれの完全ではない心の状態を表しているかもしれない。

インテリアも映画中のカケラのひとつ。でもカケラでもいいじゃないか、輝いているならば。人は完全な愛、完全なセックス、完全な関係、完全な身体と、あれこれ求めるけれど、一個でも輝いているならば全部でなくていい。<もともと月は一日以外はぜんぶ欠けている(via:作中)>。

好きだなーーと思ったシーンが、ちょうど宣伝スチールになっていた。ハルがリコのお尻の肉をプニプニ、プニプニとつまんで遊ぶところ。体って面白いなって思った。セッ○スばかりが能じゃないというか。自分も誰かの体のお肉をつまみたくなった!!(^肉^)

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※当方、こちらの作品世界に無縁な年代ですのでズレた感想かと思われますけどご容赦を……

夏の終わりという映画を夏のはじめにみた

瀬戸内寂聴が自身の体験を基に描き、100万部を超えるベストセラーとなった同名小説を、満島ひかり主演で映画化した大人のラブストーリー。『海炭市叙景』で高い評価を得た熊切和嘉監督が、小林薫演じる年上の男と、綾野剛演じる年下の男という2人の間で揺れ動くヒロインの心情を丁寧に描き出す。

昨年、テレビドラマ『ウーマン』を放映していた時期、「主役の満島ひかり、いいよ」とさんざん教わり、『ウーマン』観よう観ようと思いつつ一度も観れなかった。以来ずっと気になっていた満島ひかり。それがこの7月、日本映画専門チャンネルが特集を組んでくれたのでやっと見れた。題して「特集 満島ひかりがみたい!」だ。6本放映した中の『夏の終り』は、最初に観た一本。

この映画の特徴は、ゆっくりした展開と、会話の極端な少なさと、昭和30年代の風景の味わいだ。あんまりノロノロしているので眠気に幾度も襲われ中断してはまた見始めるを4回繰り返したので、最初の方に何があったのか忘れてもうた。
軽部真一の解説付きなのだけど、ゲストになんと瀬戸内寂聴さんその人が出て来て作品のなりたち、背景、本編の感想を述べる。ぶっちゃけた話、本編よりそっちのが面白かった。瀬戸内さんは満島ひかりについての感想を聞かれて「すばらしい女優さん、命がみなぎっている」「満島さんでもった映画」みたいな事を言っていて、まったく同感だった。

で、女性映画的かというとそうでもない。例えば当時の女性が置かれた状況を反映しているかというとそうでもなく、瀬戸内寂聴さん個人の生き方を描いている。つまり何らかの女性問題が浮き上がってくる、ということな特にない。もとより作家を目指し自立した自己をもっていた瀬戸内さん自身がモデルなのだから、そうなるのかなと思う。わかりにくいのは映画中では(そして小説中でも)瀬戸内さんは染色家になっている。解説でご自身が言うには、自分がモデルの私小説と思われたくなくて染色家という設定に変えた、という。

小説はそうとしても、映画にするときは作家に変換してくれたらよかったのにと勝手なことを思った。年上の売れない純文学作家の小林薫との「愛」を断ち切れないのって、本人も小説を書いていたからってのが大きいのじゃない? はたで観ていて、どうしてあんなにステキな綾野剛を選ばないんだと不思議で不思議でしょうがなかった。綾野剛じゃダメである感触が伝わらないというか…

だからって小林薫演じる小杉慎吾が魅力がないとかじゃない。というか見事にこの役にはまりきっている。瀬戸内寂聴さんも慎吾のモデル(である実在の作家でかつての恋人)に仕草までそっくりであると、大絶賛していた。そのモデルを知る由もないわたしでさえ、これはそっくりに再現されているに違いないと思わせる実在感だった。それだけになんかね…同じ作家としての女の姿を見たかった、というかね…

年上と年下のふたりの男性の間で揺れ動く女性、という設定から連想するような甘やかな感じはほぼ皆無。苦み渋みが多く、いたってストイック。瀬戸内さんが最後の最後に解説するに、年下男性の方は、のちに家庭を持ったのに瀬戸内さんへの思いを引きずったままで結局自死を選んだ、という。なんかもう軽いショック受ける話だった。

そこらの実話は脇に置くとして。りんとした和服姿、細い指で鯛焼き?をハフハフと食べる姿、整然と片付いた和室に座す姿など、満島ひかりファンならば必視聴なのは間違いなし。わたしもファンになりつつある自分を感じている。