お手紙のすすめ


<少し前に、感想文のすすめを書いたんだけど、今回はお手紙の方を書きます><Twitterに書いた内容と若干かぶります>

☆ ★ ☆ ★

10月22日の選挙のあと、バイトに来ているKさんに、投票に行ったかどうかと聞いてみた。
Kさんは、「行ってないですね…。行こうともまったくぜんぜん考えなかった」と、淡々と答えた。「というか、僕は生涯で一回も投票に行ったことはないです」。Kさんは約30才なので、10年間で相当数の選挙があったわけだが、一回もないと言うのだ。

「えーーっ」と、わたしは大げさにリアクションした。「一回も行ったことないとなると、前回の衆議院選挙が2014年、あと3年ごとの参議院選挙、その他に市町村や県知事、市議会、県議会の議員を決める選挙と、全部棄権したのか~~。一票の権利を放棄したのか~。人類が長きに渡る苦闘のすえに獲得した投票する権利をどぶに捨てたのか~~」と、矢継ぎ早にKさんを責め立てた。

Kさんはちょっと笑った。こちらとて、赤の他人を本気で責めるいわれもないので、冗談だ。なので、笑ってくれて安心した。普段は口数が少ないKさんが、わたしの勢いにのせられたのか、なぜ投票にいかないのかという話しをけっこう長くしてくれた。

その中で「どういう基準で投票先を選ぶのか分からないから」というのがあり、「政策で選ぶんだよ」とこちらは答えたものの、実際問題としては、政策だけではなくもっとトータルなものだ。たとえば政策というだけなら、自民党は今回、学費無償化をはじめ、耳あたりのよいことを複数言っていた。しかし、そのまま信じていいものだろうか?

そう考えると安易に「政策だよ」と答えられなくなる。

となれば、「政策以外には、自分の生活を振り返って、その中で不満に感じることが何かをよく考えて、それに焦点を当てている政党を選ぶのもいいんだよね」。わかりやすいのは給料が安すぎて生活できない等であるが、Kさんは四年生看護大学卒という看護界ではエリートの部類で給料には困っていないと思われるため、ちょっと具体的な例が出てこなかった。

「たとえば、政治が今一番取り組んでいるのって、少子化対策なんだけど ………
……」

「…」は、Kさんに向かったニュアンス部分。
Kさんは独身の様子であるが、そろそろ考えてもいい頃だろう。つきあっている女性もいるらしい。といっても、こちらからそういうことをズケズケ聞くわけにはいかないため、雰囲気だけ出して、Kさんが察してなんか言ってくれたら続けて言うけど、避けたい話題なら言うのやめよーっ

「僕もそれ、対象になりますかね…」

と、いやな話題ではなさそう。わたし「日本では、結婚しないで子どもを産む女性はまずいないんだって。結婚がぜったい条件になっているんだ。となれば、少子化対策はイコール若者の結婚対策なわけ。つまり、結婚の障害になっているもので、政治の力で取り除けるものは取り除く必要があるんだよねー」

実際はこんなに流ちょうに解説してないけど、意味はこんな感じだ。

で、Kさんがその流れで、実に奇妙なことを言い出した。
Kさんが結婚しない理由は、予想した通り「経済問題」ではない。

「僕は、彼女が、子どもを生んだとして、いい母親になってくれるのか確信がもてない」「ほんとうにこの人と一緒になっていいという気持ちになれない」「たとえば、自分の親を大事にしているようにも見えない。そんな人が親になっても、良き親になれるものなのか」


これには返事に困った。「なれるわよーっ、産めばどんな女性だってお母さんらしくなるものよ」という言葉も浮かんだ。が、そうではない例を多く見聞きしているため、会ったこともないKさんの彼女について、そうは言えなかった。

「う、うーーん、わたしのときはそういう難しいことは考えなかったなあ」と、大昔の自分の事例をちょっと言ってみた。しかしあまりに昔なので参考にはならない。いやーどうしたもんかねえ。困ったなあ。

と、悩んだときにフト浮かんだのが「手紙でも書いてみるといいんじゃない?」

つまるところ、あまり深い話をしないために、相手の像が見えてこないのだろうと、思えたのだ。今の時代だとLINEがおもなコミュニケーション手段かもしれない。しかしあれは自分の書いたのが全部可視化されているため、相手に言葉を投げ出しきれない、という欠点がある気がする。

自分の言った言葉がもう自分の元にはなくて、相手の心の中にしかなくて、しかもそれがどう処理されたのかも制御不能である、というのが必要ではなかろうか? ヤマカンだけど。

深く言葉で関わると、相手への疑いなどはなくなるものだ。聞くと、ちょっとした手紙のやり取りならしたこともある、という。てっきり手紙の消滅した世界で生きているかと思ったら、「手紙…それもいいですね…」と、答えてくれたのである。

あらためて考えても、手紙ほどすばらしい通信手段があるだろうか? 面と向かって言えないことが言えるのだ。思えばわたしも若い頃は随分と手紙を書いた。ダンナッチのテルテルにも書いたな~。すさまじい量書いた。

手紙を書くと、深い自分を知る。相手より先に自分が知ることになる。たぶんメールでもいいと思う。メールなら切手もいらない。でもたぶん、長文になるので、先に「ちょっと長くなるけど」みたいな断り書きを入れてからがいいかもね。書き出すと、とめどなく信じられないほど沢山の言葉が相手に対して出てくるのでは、なかろうか? 相手の返事からは、見たくなかった深淵のお化けみたいのが出てくるかもしれない。いいのよ、それで。そういうのと、がっつり四つに組んで欲しい。相手の心と相撲でも取るみたいに。

相撲とってほしいな~~

後日談があったら付け足します。

 
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