地球の限界(Planetary Boundaries):“私たちの地球”の科学

初POST:2023年8月27日――更新日:2026年6月23日

ネットフリックスの画面キャピチャー

3年前の2023年にUPしたはいいけど、九つの要素のうち、一つしか書けなかったやつです。その最初の一つ「気候変動」について再アップです。

補足があります。
2023年の最新論文(Richardson et al.)で、九つ全ての定量評価が初めて完成し、そのうち六つが限界を超えたと発表されました。そして2025年の最新評価(Planetary Health Check 2025)では、海洋酸性化も加わり、七つが限界を超えたことが確認されています。

つまりNetflixのドキュメンタリー(2021年)から状況はさらに悪化している、と言うことになります。

Planetary boundaries – Stockholm Resilience Centre 👈planetary-boundariesのサイト

NetFlixで環境問題ドキュメンタリーの『地球の限界: “私たちの地球”の科学』(2021年4月公開)を観ました。かなり重い話でしたが、科学者たちの「まだ間に合う」という言葉が救いになりました。地球を一刻も早く「安定した」地点に戻す一助になりたくて、ブログ的に再現します。

地球の安定に必要な九つの要素

地球の安定のために必要な九つの要素
地球の安定のために必要な九つの要素
九つの分野が、三段階評価されている図
九つの分野を三段階評価し、それぞれがどのあたりにあるのかと研究しています。一番内側が「安全圏」。すべてがここに収まっているのが理想

Netflixでの用語と本来の用語の対応表

#英語(公式)日本語訳ネトフリ日本語
1Climate Change気候変動気温
2Biosphere Integrity生物圏の一体性(生物多様性)生物多様性
3Land-system Change土地利用の変化生物群系
4Freshwater Change淡水の変化淡水
5Biogeochemical Flows生物地球化学的循環(窒素・リン)養分
6Ocean Acidification海洋酸性化海の酸性化
7Atmospheric Aerosol Loading大気エアロゾルの負荷エアロゾル
8Stratospheric Ozone Depletion成層圏オゾンの減少オゾン
9Novel Entities新規化学物質・人工物新規化学物質

ネットフリックス版は、分かりやすく短い用語に直しています。

2009年、2015年、2025年の九つの分野の危機度
公式サイトがダウンロード用に用意している画像

2009年、2015年、2025年と、危険度が増している図。自分的には、アマゾンの森林伐採に関連した「生物群系」がどんどん悪くなってるのが気になります。生物多様性が損なわれるのは、人間にとっても大きな精神的ダメージだと思います。

地球温暖化の結果、氷床がとけるとどうなるか

以下、番組による説明です。気温(気候)のキーワードは氷床 です。具体的には南極とグリーンランド(北極) の氷塊(ひょうかい)。科学者のヨハン氏は言います。

北極と南極は常に氷におおわれている必要がある。
それでこそ地球が安定して人間の文明が発展できたのです

気候変動の根本原因

温室効果ガスの大量排出

具体的には:

化石燃料の燃焼(石油・石炭・天然ガス)
森林破壊(CO₂を吸収する森を失う)
農業・畜産(メタン・亜酸化窒素の排出)

これらによって大気中のCO₂濃度が上がり、地球があたたまる。これが出発点です。

番組が詳しく説明していたのは、気候変動と地球温暖化の「結果」、かつ「増幅装置」である氷床の融解について。

温室効果ガス増加
↓
気温上昇
↓
氷床が溶ける(結果)
↓
白い反射面が減り、太陽熱を吸収し始める
↓
さらに気温が上昇(原因に戻る)
↓
もっと溶ける……


南極、グリーンランドの氷床 が太陽光を90~95%はねかえしています。そのおかげで、地球が熱くなりすぎるのを防いでいます。ところが・・・


近年、猛烈な勢いで氷床が溶け出しています。氷床が溶けると、海面が上がるだけではなく、真っ白い表面が汚れてきます。汚れて色が付いてくると太陽光の反射が減ります。
そればかりか、今度は太陽光を吸収し始めるのです。この時、地球を冷やしていたはずの氷床が、地球をあたためはじめます。

これが起きた時、地球システムの「転換点」となり、引き返すことのできない変化が起きるでしょう

転換点を通り過ぎると後戻りできない。もはや地球は元に戻せなくなって、転がり落ちるように状態が変わり、人間が住めなくなります。

今まで地球は親友でした。潤いを与え、ストレスを軽減させ、二酸化炭素を吸い、熱を取り除き、負荷を吸収してくれた。

転換点を迎えると地球は、熱を増幅する敵になります。

何かの間違いであってほしい話です。こんな重い話を最後まで読んでくださってありがとうございます。ところで、最後に、オゾン層の話を。

1970年代に「夢の化学物質」だったフロン。そのせいでオゾン層に穴が開くという理論を示したのが化学者のフランク・シャーウッド・ローランドとマリオ・モリーナ。この段階ではフロンは廃止になりませんでしたが、1985年、南極に穴が空いているのが発見されました。これは、人類が滅びることを示唆していました。翌々年モントリオールでフロンの廃止が決められ、事実上全世界が参加した唯一の国際条約となりました。

この成功体験がまた来てくれると良いのですが。

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