🍎年末に聴いたラジオドラマ『林檎の樹の下で眠るとき ヴォイス・オブ・ザ・ピープル~ #戦争語彙集 ~』は良かった!!
岩波書店から出ている本『戦争語彙集』がラジオドラマになってました。(東京FM)
たった今、この時も戦火にあるウクライナの人々のナマの声、ナマの感覚が伝わってくるドラマ。
戦争が大変なのはアホでも分かるけれど、それ以上は想像力も鈍って、難しいことも考えたくないし、ついついどうでもいいYoutube 観ちゃうしな日々の中、鈍い痛みの一撃をくらいました。
ほんとうに、上記の本は今読むべき本トップスリーに確実に入っている本じゃないですかね。(まだ読んでないのでエラそうに言えませんが・・・)
ドラマの一部を紹介します。
目の前を赤いズボンの女性と、太ったおばあさんが女性に引っ立てられるように歩いている。おばあさんの歩みはのろくて手に大きなカバンを持っている。女性は言う。「あなたの事なんか、別に私は連れて行かなくてもいいんですからね! そんなにイヤなら置いていきましょうか?」声は苛立ちに満ちている。今二人はどこかへ避難するためのバスに向かっている。やっと来た避難のチャンス。乗り遅れるわけにはいかない。「そんなものは置いていって! それと一緒じゃ無理よ!」ますます苛立つ女性。おばあさんは泣きやむことができない。ヒクッヒクッとしゃくりあげながらやっとその場所にカバンを置いた。カバンから白い猫が出てきた。猫はキョトンとあたりを見回した。
「どこか」ではなくハッキリ地名も言っていました。わたしのうろ覚えでは伝わりづらいですが、避難にあたって愛猫を戦火の中置き去りにしなければならない高齢婦人の姿がまざまざと浮かんできて胸が詰まりました。
もう一つ、こちらもうろ覚えなのですが
昔、眠る時に林檎の落ちる音がよく聞こえたものだ。「ごとっ」「ごとっ」と。今聞こえるのは爆撃機が落とす爆弾の音だ。街を破壊し人を殺す音だ。同じ落下でもまるで違う。林檎の落ちる音が痛いほど懐かしい。また林檎の落ちる音を聞きながら眠りたい…
↑↑正しくは本を読むか、再放送があったらぜひ聴いてみてください。
ドラマは見事でしたが、なんともやり切れないです。