📺ゾンアマプライムで『次元大介』をみた

ゾンアマ制作のこのドラマ、幸いにも最後まで好感を持ってみることができた。
映像作品では見ながらイライラしていることが多いのだが(ex;なんで女ばっかり飯作ってるんだ、とか、登場人物の世代が同じすぎ、とか、この監督少女に夢見すぎ、とか)素直に楽しめたので、うれしかった。

好感を持った要因はいくつかある。

  • 通常なら男優がやる役回り(拳銃はじめ精密機器の修理、製作をする時計屋)を年配の草笛光子が演じていること。これにより要職を男性が独占する悪しき慣習に釘を刺せている
  • 多くの映像作品が出演者(特に主演スター。あと脇役でも普段は主役をやることもあるような人)を引き立てる目的に堕しがちなのに対し、作品が主体になっていること
  • ガンアクションに見ごたえがあること。次元大介のみならず、「泥魚街」のボスのアデル(真木よう子)が車いすで見せるアクションとか
  • 小洒落たセリフがある
  • 最後は拳銃の名手同士の対決になることが予測されたわけだが、ここがちゃんと気の利いたシーンになっていたこと

もちろん、不満点もある。
まず、アデルの正体と目的が不明瞭。あぶないヤクで金と権力を握りたげなのは把握できたが、何が目的なのか。金なのか若さなのか権力なのか?

画面が薄暗いこともあって、子ども相手に何をやっているのかもピンとこず。もっともここをやりすぎると洒落にならなくなる可能性もあるンだが。

あと、首をクキッっとすると?別人に変身する川島武(演:永瀬正敏)←受けるw とその恋人の場面が雑。恋人がいること自体が意外な川島武なので「え?え?あなたアデルの下僕じゃないの?」と理解不能に陥っていた当方。ハートフルではあったものの時間的に詰め込みすぎではないだろうか?


映画コムのレビューを見た。最初期の『ルパン三世』のノアール感が今でも忘れられず、そういうのを期待したが違ったと嘆いて辛口採点している人がいた。

わかる。わたしもさんざんそう嘆いていた時代がある。

でもこの『次元大介』、かなりその「ノアール感」が出ていると思うのだ。「こんな『ルパン三世』が観たい」と思っていた作品が、半世紀を経て現れた、の感がある。