2018年6月9日記

作・演出:岩松了

出演:大森南朋 / 麻生久美子 / 三浦貴大 / 森優作 / 池津祥子 / 岩松了

舞台の演劇をみに行くの、これで4回目くらいかな。

『市ヶ尾の坂』は、前回行った劇場で配られていたチラシで知った。

この劇はなんというか、得意になって感想を言うタイプの劇ではなくて、しんみりした感覚を残す。三人の兄弟がたあいのないセリフでやたら盛り上がっていたので、不思議な兄弟だなと思いながらみたのだけど、最後のシーンで、あああっと思わせた。この兄弟、「それ」が見たさに、あんなに盛り上がっていたのか? この兄弟、実は胸に秘めたる悲しみと思慕をもって馬鹿馬鹿しいほどにじゃれあっていた!?

劇の紹介ページを見ると、麻生久美子さんは「美貌の人妻」設定だったようだ。が、わたしの席は遠かったため美貌とかはよくわからなかった。だんだん、映画やテレビドラマとの違いがわかってきたのだけど、芝居の場合は、自分の席から見えたもの聞こえたものがすべてだ。

同じ演劇でも、近くで観た人と、後ろの方で観た人では感想が違ってくると思う。それでいいのである。観客と舞台の間に仲介者はいない。遠いなら、遠いなり。近いなら近いなりの鑑賞であり出会い。
遠くてもセリフはとてもはっきりと聞こえるから大丈夫だ。